2011年01月31日

別府に世界中のアーティストが・・・。

パリから来別されたアーティストのCamille Courieさんのインタビューです。
寒空の下、ほっこりBOOK CAFE×SELECT BEPPUでインタビューを開始。
上手く説明できない部分は、カミーユさんのパートナーであるケンゾウさんにお手伝いしてもらいました。


別府に世界中のアーティストが・・・。















赤木
カミーユさんのホームページを拝見しましたが、舞台美術や病院の空間デザインなど色々な活動をされているんですね。
スケールも大きいものが多いようですが・・・。

カミーユ
そうですね、色んな活動を行ってきました。舞台関係は自分自身の作品というわけではなくて、音楽や演出などのように
舞台を構成する一部として、私はステージの絵などを描いていました。数メートルもの絵を一人で仕上げる時はとても大
変です!笑

赤木
他に共作で行った活動はどのようなものがありますか?

カミーユ
パリのFine Art Schoolに在学中、パリ市から助成金をもらって25人の友人と一緒に町の中で一週間のイベントを行いま
した。音楽、映画上映、ダンスなど沢山の内容盛りだくさんのイベントで、私はストリートパフォーマンス用の会場の壁に実
物より何倍も大きな2人のカップルの影を描きました。


Reference http://www.camillecourier.net/index.php?/expo-love-will-tear-us-apart/

お客さんたちはおもしろがって、その絵の前に座ったり、夕暮れ時には人の影と絵の影が重なるタイミングがあったので、
恋人同士や犬と飼い主など多くのカップルがこの絵の前に立って楽しんでいました。自分の作品で人が喜んでくれると嬉
しいですね。


赤木
カミーユさんの作品には影が多いようですね。


カミーユ
そうですね。今までの作品では光と影を、特に影を貴重とした作品が多いです。このカップルの作品は壁にペインティングと
いうものですが、私の他の作品の手法はちょっと不思議な感じになっているんです。

赤木
どんな感じですか?


カミーユ
一つのペインティングが作品というわけではなくて、ガラスや鏡など光を通す・反射する半透明のキャンバスやスクリーンに
絵を描くんです。それを通して現実の世界を見ると絵と現実の世界が重なる・・・その時に初めて作品になるんです。ほら、
ちょうど今この窓から外の景色が見えるような感じ。説明や写真では分かりづらいので、本物を見てほしいですね。


赤木
是非本物を見てみたいです。パっと見た時のインパクトよりも、じっくりと見ていると引き込まれていく感じの作品達ですね。
なぜカミーユさんは影を大切にしているのですか?


カミーユ
私にとって影とはとても意味のあるものです。

影は常に私達のそばにあって、私達を表現する上で一番身近でシンプルなもの。
物でも生物でもなんにでも影はあるでしょう?また、影は生と死の世界をつなげていると思うんです、影には魂が宿って
いる。フランスは文化的にも影を大切にするし、私が生きる上で影は切ってもきれない存在です。

ある時仕事でエジプトに9ヶ月間行ったのですが、ルクソールという地域の先住民は、死後の世界が幸せであるようにと
毎日お祈りをしていました。生きている今を楽しむよりも、死後の世界のために日々一生懸命に祈るという姿勢に私はと
ても衝撃を受けました。彼らもとても影を大切にしていて、何か通じるものがありましたね。


赤木
なるほど、影はとても奥深いものなのですね。

別府に世界中のアーティストが・・・。















カミーユ
あるプロジェクトでは病院の入り口の正面にある壁のデザインを手がけました。

その病院は難病や死期が迫っている患者専
門の病院で、患者もお見舞いする人々も気持ち的にもしずんでしまうことが多かったんです。
特にフランスでは「死」ということに関してはあまり公では触れて欲しくない事、隠したいことだからなお更ですね。

そこのロビーの壁をデザインするということで、この病院に居るみんなが明るい気持ちになれるような壁をつくりました。
11×3.8の大きな半透明のキャンバスに朝焼けに染まった海を描いてそれを同じ大きさの鏡の前に取り付けるんです。
すると絵の向こう側の鏡がうっすら透けて見えて、通る人の影がその絵に映ったように見えるんです。
まるで自分の影がその世界に居るかのように。ただ同じ風景の病院内を通るよりも、パッとこの景色が広がることで人々
の心も晴れるのですね。また、その絵の上で亡くなった人と生きている人の影が交わり合い、死後も淋しくはないのだよ
という思いが込められています。

http://www.camillecourier.net/index.php?/about-this-site/




赤木
こんな場所が病院に一つでもあれば元気になれますね。
今ではこのようなスケールの大きい作品が多いカミーユさんですが、制作活動を始めたきっかけは何だったのですか?


カミーユ
幼少期から絵を描くのが好きでした。絵を描くことで誰かがそれを見てくれて評価してくれて、そこで人とつながることが
できる。それが嬉しくて絵を描き始めたのがきっかけですかね。


赤木
人と人が繋がる、今のカミーユさんの作品にも表れているものですね。

赤木
今回日本には一ヶ月弱滞在されているようですが、日本はどうですか?


カミーユ
ケンゾウが日本とのハーフということもあるし、私がずっと好きだった谷崎潤一郎の「陰翳礼讃 」という本で見た日本文化の
光と影の美を実際に見たくて、日本にはずっと来たいと思っていたんです。(※言語の違いで「陰翳礼賛」という本のことを
言っているのか悩んでいたところ、会場のBOOK CAFEにその本があったため「コレ!」となって一件落着。
さすが「BOOK CAFE × SELECTBEPPU」ですね。)

別府に来る前に東京や京都を回り、四国ではお遍路さんをしました!
とっても楽しかったですねー。そして日本はごはんが美味しい!

赤木
お遍路さんまで経験しているなんて、とてもディープな日本巡りですね!別府の印象はどうですか?


カミーユ
別府もとても良いところ。食べ物も美味しくて温泉も沢山・・・ユケムリにはとても驚きました!
いつかユケムリとスクリーンを使った作品を作りたいですね!あと、あちらこちらにあるマンホール、色んな花の絵が描かれていて素敵ですね。

私もあれをアレンジしてもう少し大きな作品を作りたいなぁ。

別府に世界中のアーティストが・・・。















赤木
是非とも作ってください!別府で作品をつくる機会があればやりたいですか?



カミーユ
もちろん!今言ったユケムリとマンホールのプロジェクトをやりたいですね。小さな地域でも、別府や湯布院には色んな
アートの空間や人が居てとても驚きました。こういうの、すごくいいですね。


別府に世界中のアーティストが・・・。



















赤木
今日はありがとうございました!


カミーユ
ありがとうございました。また別府に来る日を楽しみにしています。







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Posted by パピプベップ at 10:38│Comments(0)パピプなアート
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